iPad用に転送速度が1000MB/s以上の外付けSSDを検討していませんか?
何も調べずにiPad用で高速転送タイプを購入してしまうとその性能を発揮できずに割高な買い物になってしまいます。
私は、本業で半導体装置エンジニアをしており、そんなフィルターを通して1000MB/s以上の高速転送タイプではなく、500MB/sのSSDをおすすめする理由を解説したいと思います。
この記事を読めば、ご自身のiPadに合った最適なスペックのSSDを選ぶ事が出来ますので、SSD選びに迷っている方は是非最後までご覧ください。
【結論】1000MB/sの高速転送対応のiPadはごく一部
1000MB/s以上に対応したiPad
- 第5世代 iPad Air (2022年発売)
- 第2、3世代 iPad Pro 11インチ (2020、2021年発売)
- 第4、5世代 iPad Pro 12.9インチ (2020、2021年発売)
iPad用に転送速度500MB/sをおすすめする最大の理由は、一部のiPadしか超高速転送(1000MB/s以上)に対応していないからです。それ以外のiPadを使用している方は、最大でも転送速度625MB/sしか出ないため注意してください。
そもそも転送速度1000MB/s以上のSSDは、まだまだラインナップも少ない上にそれなりに高価です。毎日のように大量のデータをやりとりするようなクリエイター以外の方は、まだまだ一般的な商品ではない気します。
また、私は本業で半導体をつくるための装置を設計しているエンジニアですが、半導体はとんでもないスピードで進化しています。
数年も経てば、より安くより良い製品が出てくる可能性がとても高いです。
何となく早い方がいいでしょ?ぐらいの気持ちで購入するには高価な買い物ですので、本当に必要なタイミングで購入することをオススメします。
転送速度500MB/sをおすすめする理由
- 転送速度1000MB/s以上は、一部のiPadしか対応していない。
- 1000MB/s以上のSSDはそれなりに高価
- 半導体はとてつもない速度で進化しており、数年もたてば安く良い製品が出てくる可能性が高い
【前提】高速転送するために必要なもの
SSD、USB-Cケーブル、デバイス側(iPad)のスペック
転送速度は、①SSD・②接続する側のデバイス(iPad)・③接続するためのUSB-Cケーブルの中の一番転送速度のスペックが低いものになってしまいます。
例えば、1000MB/s対応のSSD・500MB/sのiPad・100MB/sのUSB-Cケーブルを接続した場合、転送速度は最大でも100MB/sとなってしまいます。
接続する側のデバイス(iPad)と接続するためのUSB-Cケーブルの転送速度を見落としがちですので、注意が必要です。
転送速度の見分け方は次の項目で説明しますので、わからない方は参考にしてください。
転送速度の確認方法、USB-C規格まとめ
転送速度は、「Gbps」「MB/s」「USB3.○」などの表記で判断する事が可能です。
以下簡単な表をまとめました。
例えば、「USB3.2 Gen1対応」と記載があるものは、最大で5Gbps = 625MB/sの転送速度があることになります。
規格 | bps表記 | B/s表記 |
Lightning(USB2.0相当) | 480Mbps | 60MB/s |
USB3.0 USB3.1 Gen1 USB3.2 Gen1 |
5Gbps | 625MB/s |
USB3.1 Gen2 USB3.2 Gen2 |
10Gbps | 1250MB/s |
USB3.2 Gen2x2 | 20Gbps | 2500MB/s |
Thunderbolt3 Thunderbolt4 |
40Gbps | 5000MB/s |
iPad用外付けSSDは転送速度500MB/sをおすすめする理由
高速転送可能なiPadはごく一部
冒頭でも説明しましたが、1000MB/s以上の転送速度に対応しているiPadはごく一部です。一部のiPad Pro/Air以外のUSB-CポートのiPadは、最大でも625MB/sまでしか対応していません。
1000MB/sのSSDを購入してもiPad側が625MB/sまでしか対応していないと、実際の転送速度も最大で625MB/sになってしまいます。
超高速転送タイプのSSDを購入検討している方は、まずご自身のiPadのスペックを確認しましょう。
機種 | 転送速度 |
第3世代 11インチiPad Pro(2021年発売) 第5世代 12.9インチiPad Pro(2021年発売) |
40Gbps (2500MB/s) |
第5世代 iPad Air(2022年発売) 第2世代 11インチiPad Pro(2020年発売) 第4世代 12.9インチ iPad Pro(2020年発売) |
10Gbps (1250MB/s) |
その他のUSB-CポートのiPad | 5Gbps(625MB/s) |
LightningポートのiPad/iPhone | 480Mbps(60MB/s) |
超高速転送可能なSSDはまだまだ高い
商品 | SDSSDE30-2T00-GH25 |
SDSSDE61-2T00-GH25 |
SDSSDE81-2T00-GH25 |
転送速度 | 520MB/s | 1050MB/s | 2000MB/s |
価格 | ¥25,276 | ¥36,122 | ¥50,759 |
※2022年7月時点での価格
最も人気のあるSanDiskの2TBタイプのポータブルSSDで価格を比較すると、これほどの違いがあります。
細かい仕様の違いはありますが、同じメーカーで同じ容量なのにここまで差が生じてしまいます。
よく流通しているSSDは転送速度500MB/sのタイプですので、毎日大量のデータをやりとりしている人以外は500MB/sのSSDの方がコスパがいいです。
- 転送速度 1000MB/s以上のSSDはかなり高額
- よく流通しているポータブルSSDは、転送速度 500MB/sが多い
半導体の進化は凄まじい
私の本業は、半導体をつくるための装置を設計しているエンジニアです。半導体の分野というのは、本当に進化スピードが凄まじく、年を追うごとにどんどん新しい技術が誕生しています。
そのため、最新スペックのガジェットを購入しても、数年もたてば更に進化した製品がでてきます。
個人的には、"今後使うだろう"と思って最新スペックを購入するよりも、"今"自分に必要なスペックの製品を購入した方がトータルでコスパがいいと思っています。
まとめ
ここ1〜2年で転送速度1000MB/s以上のポータブルSSDもちょっとずつラインナップが増えてきました。ただし、まだまだ500MB/sのポータブルSSDが一般的で、一部のiPad以外は、625MB/sまでしか対応していません。
毎日のように動画編集や画像、イラスト作成などしていて、頻繁にポータブルSSDとデータのやりとりをしている人は、転送速度1000MB/sのポータブルSSDのスペックを十分に活かせますが、それ以外の方は500MB/sのSSDで十分です。
数年もしたら転送速度が1000MB/sのSSDが一般的になり、価格もかなり落ちつてくると思うので、必要な方はその時に買いましょう。
500MB/sのSSDがおすすめっていうのはわかったけど、何がいいの?という方は、以下記事でiPad用おすすめポータブルSSDを紹介していますので是非ご覧ください。
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以上、少しでも参考になれば嬉しいです。